こんにちは、Stevenです。@StevenToshiCH
本日は広大なアメリカの土地を支える、3大航空会社の株を比較していきたいと思います。
日本は国土がそもそも小さく鉄道網が圧倒的に発達していることから、飛行機の使用は国外へ行く場合に限定されるかと思います。しかしアメリカは日本の26倍の面積を誇り、都市間の移動は飛行機が一般的です。日本の鉄道と同じくらい、アメリカで飛行機は重要なインフラといっても差支えがありません。
そんなアメリカには日本と比較にならない大きな会社があり、そのうちの3大航空株を比較していきたいと思います。
最新アップデート:2/5/2023
・3社とも売上はほぼ同じ
・利益はデルタが一番強い、コロナ後黒字も達成
・売上はほぼ回復、利益がついてくるかに注目
米国の航空業界

アメリカの飛行機は都市間の重要なインフラといっても差し支えありません。
他の国と違い、広大な土地を持つアメリカは大きな航空会社が3社もあり、そのすべてが7割ほどを国内線のみで稼いでおります。日本は幸運にも2社ありますが、他の国は基本的に1国に1航空会社だけあるのが普通です。基本は国が介入していることがほとんどですが、アメリカは民間三社がしのぎを削っております。つまりアメリカと他の国とはそもそもの航空会社の利益構造が違います。

航空会社の規模を見てみましょう。3位こそドイツ率いるルフトハンザ航空が入ってきておりますが、1位2位4位はアメリカの会社となっております。超巨大航空会社が3社で三つ巴の戦いを繰り広げております。
今回はその三社の比較を行いたいと思います。
デルタ航空 (DAL: Delta Air Lines, INC)

売上はトップ、保有機体数では2位を誇るデルタ航空です。アトランタを本社としております。直近では2008年にノースウェスト航空と合併しました。スカイチームの一員です。ニューヨーク証券に上場しております。
ハブ空港はアトランタ、ニューヨーク、デトロイト、ミネアポリス、ソルトレイクシティ、シアトル、ロサンゼルスです。デルタ航空は数多の合併を繰り返してきているため、ハブ空港がかなり多くなっております。本拠地があるアトランタは、デルタのメインハブ空港として機能していることもあり、世界一発着が多い空港となっております。

売上はコロナ前までは右肩上がりでありましたが、コロナ以降急激な落ち込みをしております。それでも2022年に売上は元の水準に戻ることを達成しております。ただし、利益がまだまだついてきていないので、ここが課題ですね。
ユナイテッド航空(UAL: United Airlines Holdings INC)

旅客キロベースではトップを誇るユナイテッド航空です。シカゴを本社としております。直近ではコンチネンタル航空と合併し、ロゴはコンチネンタル航空のものを踏襲しております。スターアライアンスの一員で、日本だとANAも所属しております。ナスダック証券に上場しております。NASDAQ100構成銘柄ではありません。
ハブ空港はシカゴ、デンバー、ヒューストン、ロサンゼルスです。本社があるシカゴ空港は24時間眠らない空港として有名です。かつては世界一発着が多い空港でしたが、アトランタに抜かれました。
ユナイテッド航空はもともとボーイング社の旅客部門だったこともあり、ボーイングの機体が多めです。

売上の推移もデルタとにてますね。
ただデルタと違い2021年は黒字化達成はできておりません。2022年もデルタと比べるとまだまだ少ない状況です。
アメリカン航空(AAL: American Airlines Group Inc.)

総旅客総数で世界1位のアメリカン航空です。言い方を変えると効率が悪いとも取れますが・・・。テキサス州フォートワース(ダラス)に本社があります。ONEワールドの一員で、日本だとJALも加盟しております。ナスダックに上場しておりますが、NASDAQ100には入っておりません。
ハブ空港はダラス、ニューヨーク、シカゴ、マイアミ、ロサンゼルスとなります。マイアミからカリブ海諸島へのハブとして機能しており、他とは少し特色がありますね。またマイレージサービスを初めて導入した会社でもあります。

売上の推移は他2社と似たような感じです。2022年にはギリギリ黒字化を達成しました。

3社とも似たような状況だけど、デルタはしっかり黒字に持ってこれているところに強さを感じるね。ちなみに3社とも破産した経験があるよ。
売上・利益の比較

続いて利益・売上の比較を行いたいと思います。
売上の比較

売上の差を見てみましょう。これを見ると、三社とも本当に拮抗していることがわかります。どの会社も合併や買収を繰り返して大きくなり、結果的に三竦みの状態まできてしまいました。一応比較のためにANAを入れてみましたが、規模が圧倒的に違いますね。
さらにコロナショックが本当に致命的なことがわかりますね。この規模の会社で売上が半分以下に落ち込んでおります。航空会社の固定費は70%ほど言われておりますので、売上が半分になってしまってはもはや通常の経営ができません。
2022年には3社とも売上としては元通りになりました。これは①国内の旺盛な飛行機需要の回復と②石油高・インフレ・飛行機路線の縮小に伴う客単価の向上があげられます。
利益比較

利益の差も見てみましょう。こちらはどこがいいというのが傾向として見えづらいですね。
デルタはコロナ時に最も損失を出しておりますが、黒字化も一番はやいですね。2022年には全社プラスに転換できており、素晴らしい状況です。
売上は2019年水準まで戻っているものの、利益は2019年の半分以下となっております。これは①ドル箱路線であった国際線の需要が戻りきっていないこと、また②ビジネス利用していた単価の高い客が戻ってきてないこと、さらに③単純にインフレで上がった客単価が利益に結びついてないことがあげられます。
利益率比較

営業利益率の推移を見てみましょう。
売上規模がほとんど同じなため、利益率を見ても同じ傾向ですね。デルタが近年では一番安定しているかなといった感じです。
それでもデルタは2021→2022で利益率が伸びていないことに不安を感じる状況です。この1年かん利益率を上げられる活動ができていないということが、いままでの航空業界の形態にとどまっていてはうまくいかないということを物語っていますね。

売上がここまで拮抗しているとはね。普通はどこかが頭ひとつ抜けるものだけど、経営の手腕次第でどの航空業界にもチャンスがありそうだね。
株価比較

過去5年の株を比較してみましょう。
利益の順番の通り、デルタ=ユナイテッド>アメリカンになっておりますね。アメリカンはもともと利益率がかなり低く、評価が下がっている中でのコロナショックなのでかなりさがっております。ただどの会社もコロナショック前の株価を回復するにはまだまだ時間がかかりそうですね。

なかなか航空会社が立ち直るには時間がかかりそうだね。僕はデルタとANAのマイルをためているので、航空会社がしっかり立ち直ってくれてサービスをもっと還元してくれるようになることを祈っているよ!
終わりに
いかがだったでしょうか?
米国の航空会社はとても拮抗していることがわかりました。アライアンスも3つしかないので、3社に集約されていくのが必然だったのでしょうね。旅行は好きなので、頑張ってほしいところです。
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それでは、ありがとうございました。


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