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【米国3大携帯キャリア株比較】AT&T vs ベライゾン vs Tモバイル (T, VZ, TMUS)

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個別株考察

こんにちは、Stevenです。@StevenToshiCH

今日は、アメリカの3大携帯キャリアの株について比較してみたいと思います。

最新更新:2024/3/25

アメリカの携帯料金はなかなか高いものですね。

一方、日本はそのコンパクトな国土、特に人口が密集する限られた平野部に1億人が居住しています。アメリカは広大な国土にわたり人々が広範に分布しているため、通信網の維持費用が高くなるのでしょう。このような事情から、格安SIM(MVNO)でも価格に大きな差がないことがあります。

※私は会社の総務からの指示に従い、ベライゾンで携帯を契約してしまいましたので、私の料金はさらに高いです…。ベライゾンが弊社の通信設備を管理しているそうですが、会社内には無料Wi-Fiがあるので、実際には必要ないのですがね…

そうした背景もあり、3大キャリアの最新の売上や株価に興味がわき、調査してみました。それでは、見ていきましょう!

本日の記事のポイント

・老舗のAT&T、王者のベライゾン、新興のTモバイル
・Tモバイルが圧倒的に成長しているが、果たしてその流れはどこまでなのか?

米国の携帯業界

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Photo by Torsten Dettlaff on Pexels.com

アメリカの携帯会社運営は本当に大変なのです。

国土が広大で、しかも人々があらゆる場所に住んでいます。日本のように特定のエリアに集中してインフラを整えれば良いわけではないのですね。それ故、サービスの質とコストの面では、やはり日本が上を行くと感じます。これは現地の環境や条件からくる、避けられない事情かもしれませんね。

それにもかかわらず、AT&Tのように36年間にわたり増配を続ける会社も存在します。※残念ながら、最近減配に転じてしまいましたが。

また、ベライゾンも15年連続で増配を達成しています。

上記図はアメリカの携帯キャリアにおけるマーケットシェアの概要です。

長らく、VerizonとAT&Tが携帯キャリア市場において2強を形成し、そのシェアを維持しています。一方で、Sprintはソフトバンクに買収された後、業績不振が続きました。そして最終的に、勢力を拡大していたT-Mobileに買収され、現在の市場は3強の構図となっています。

AT&T (T: AT&T Inc)

売上No.1を誇るのはAT&Tです。

これは、日本におけるNTTのような存在と言えるでしょうか。シェアにおいてはVerizonに次ぐ位置にありますが、AT&Tは元々長距離電話会社としてスタートしており、携帯事業が主流となる前からすでに電話ビジネスに深く関与していました。

AT&Tは、「Mobile(モバイル)」のビジネスだけでなく、「Business Wireline(BtoB向けの有線通信事業)」や「Consumer Wireline(一般消費者向けの有線通信事業)」も展開しています。ここで言う「BtoB」とは“Business to Business”(企業間取引)を、「BtoC」とは“Business to Consumer”(企業から消費者へ)を意味しており、前者は企業間でのサービス提供、後者は企業から一般消費者へのサービス提供を指します。これら多岐にわたる事業展開のおかげで、AT&Tは売上においてVerizonを上回り、No.1の座を保持しています。

売上については、基本的なトレンドとしては右肩上がりを描いていますが、コロナウイルスの影響で少し影が差しているようです。具体的には、コロナ以降、ビジネスの環境が変わり、やや厳しい局面も見られています。また、AT&Tはメディア事業の分社化を進め、得られたキャッシュフロー(現金収益)を5G関連の投資に充てています。この動きが、長い間続いていた増配(利益配分の増加)のストップを招く結果となりました。

ベライゾン(VZ: Verizon Comunication)

次に紹介するのは、ベライゾンです。ベライゾンは、携帯業界においてシェアNo.1のポジションを誇っています。

しかしながら、シェアは徐々に下降傾向にあり、これは投資や業界全体のトレンドを見る上で少々気になるポイントです。ベライゾンとAT&Tの位置づけを日本のキャリアに例えるならば、AT&TがNTTに相当するなら、ベライゾンはKDDIのような存在でしょうか。ベライゾンは、携帯通信サービスの提供だけでなく、ワイヤレス装置の販売事業も展開しています。ちなみに、私の会社の工場もベライゾンのサービスを利用しています。

売上および利益は基本的に右肩上がりのトレンドを示していますね。これらの数字は、一定の安心感を投資家に提供しています。シェア自体は減少しているものの、私自身を含む多くのユーザーの支払い単価が上昇しているため、結果として売上は増加傾向にあるのでしょう。また、利益率も16%と、非常に頼りがいのある数字を記録しています。

Tモバイル(TMUS: T-Mobile US, Inc)

最後に取り上げるのは、全米で3位の携帯会社、T-Mobileです。

2010年頃からSIMフリー化など、今では業界のスタンダードとなっている施策を積極的に導入し、シェアを順調に伸ばしてきました。Sprintの買収に成功したことで、単なる“名ばかりの”3位から、実力をもって三つ巴の競争を繰り広げる3位へと地位を上げてきました。運営スタイルはソフトバンクに似ていて、若者向けにポップなカラーを使用したサービス展開を行っています。

売上の伸び率が顕著であることがお分かりいただけるかと思います。急速な成長を遂げるための戦略として、投資への予算配分もかなり積極的に行っています。これが原因で、利益率は必ずしも高いとは言えない状態にあります。

Steven
Steven

AT&Tは固定電話の時代からの大手だね、ベライゾンは携帯のカバー率でNo.1、そしてTモバイルは成長率がすごくて新星って感じかな。

売上・利益の比較

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Photo by Daria Shevtsova on Pexels.com

続いて利益・売上の比較を行いたいと思います。

売上の比較

売上の動きを比較してみましょう。

AT&Tとベライゾンは売上が頭打ちの感が漂っていますが、Tモバイルは急速に追い上げを見せていますね。この勢いなら、5年後には彼らが逆転する可能性も感じられます。

ただ、一例として日本を挙げてみましょう。ソフトバンクもかつては急激な成長を遂げましたが、結局は3位のポジションからさらに上を目指すことはできませんでした。もちろん市場環境や経営戦略の違いがあるため、一概には言えませんが、Tモバイルもどこかで成長が鈍る可能性はあるのではないでしょうか?

利益比較

利益の動向にも目を向けてみましょう。

データを詳しく見ていくと、Tモバイルが売上に対して利益を同じ程度伸ばせていないことが読み取れます。具体的に言えば、売上は急成長しているものの、それに伴って利益が同様に急成長していない状況です。一方で、AT&Tとベライゾンは利益においては横ばい状態を保っていますね。

これはおそらく、5Gネットワークへの先行投資が大きく影響していると考えられます。5Gは次世代のモバイル通信ネットワークで、その導入には莫大なコストが必要となります。したがって、これらの企業は利益を確保しつつも、将来のネットワーク基盤を築くための投資も積極的に行っている様子がうかがえます。

利益率比較

営業利益率の動きも注目すべき点です。

驚くべきことに、ベライゾンは他を圧倒して高い利益率をマークしています。AT&Tは売上が非常に高いものの、利益率においては携帯事業でNo.1のベライゾンに苦しんでいるのが伺えますね。

Tモバイルについても興味深い動きがあります。もしも拡大路線から一転、収益を重視した運営にシフトすれば、かなりの高利益を上げる可能性が見込まれます。これはソフトバンクと似ていて、ある程度市場シェアを獲得すると、それ以降は「刈り取りフェーズ」に入ると予想されます。

Steven
Steven

キャリア業界、安定の利益率で成長も見込めるから魅力的だよね!🚀AT&T、ベライゾン、Tモバイル、それぞれの戦略にも注目だ!📱✨

株価比較

株価の動きを2017年から比較してみましょう。

Tモバイルが圧倒的な伸びを見せていますね。売上の高い伸び率を考慮すれば、当然といえるかもしれません。

VOO(S&P 500)と比較すると、ベライゾンとAT&Tはかなり微妙な動きですね。特にAT&Tは価格が下落していますね。これら2つの株は、高配当株としての要素が強いので、その点も考慮に入れたいところです。

Steven
Steven

Tモバイル、この成長ぶりを見ると投資したくなるよね。回収フェーズに入れば、きっと配当もふんだんになるだろうし。この株価の下落局面でも価格が下がらずに上昇しているのは、さすがだね。

いかがでしたでしょうか?

正直、アメリカにいながらも、実際に誰がどのキャリアを利用しているのか把握するのは難しいですね。ベライゾンの感触は掴めていますが、これからは少しずつ、現地のアメリカ人にどのキャリアを利用しているか聞いてみようと思います。ちなみに余談ですが、アメリカ人は思ったよりアイフォンを持っていないようです。私の周囲の出向者は全員アイフォンユーザーですけどね!

ちなみに、ツイッターもやっていますので、もしよろしければフォローいただけると嬉しいです。毎週月曜日の6時AMには、経済指標をまとめてツイッターで発信しています。コメントもお待ちしております。これからもアメリカ現地の声をお届けしていきますね。@StevenToshiCH

それでは、ありがとうございました。

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