こんにちは、Stevenです。 @StevenToshiCH
今回はいざというときに一番頼りになる、債券のまとめをランキング形式で解説していきたいと思います。
個人的おすすめ度No1はBNDとなります。経費が安いこと、運用額が大きく安心感があること、利回り・価格が安定していること、分散対象が多いこと、投資期間がちょうどいいことなど、まさに債券の王様と呼べるETFです。
更新:2024/04/28
大前提 債券ETFとは
債券ETFランキングの発表の前に、「債券とは何か?」「ETFとは何か?」をおさらいしていきたいと思います。
債券とは
債券とは国や企業などが一時的にお金を借り入れするために発行する有価証券です。
債券は、国や企業が資金を調達するために発行する有価証券です。これは銀行からお金を借りる際に利息を支払うのと同様に、債券を購入すると定期的に利息(クーポンとも呼ばれます)が支払われます。主な種類には国債(政府発行)、地方債(地方自治体発行)、社債(企業発行)があります。通常、信用リスクが低い国や企業から発行される債券ほど金利は低く、高リスクな発行体からは高金利で提供されます。
株式投資では企業の業績向上により配当や株価上昇の恩恵を受けますが、経営が悪化すると株価が大幅に下落するリスクがあります。対照的に、債券は発行体が破綻しない限り、投資した元本と利息が支払われるため、比較的安全な投資とされています。特に経済が不安定な時期には、リスクが低く安定したリターンを求める投資家から支持される傾向があります。
ETFとは
ETFは「Exchange Traded Fund」の略称で、日本語では「上場投資信託」と訳されます。
この商品は、株式や債券など複数の資産をひとつのパッケージにまとめて売買できる投資商品です。一言で言えば、ETFは様々な資産を組み合わせた「バスケット」を、株のように証券取引所で直接取引できる形式で提供します。
たとえば、単一の債券に投資する代わりに、債券ETFを通じて多数の債券に分散投資することができます。この方法はリスクを分散し、一つの債券に依存することなく、より広範な市場へのアクセスを可能にします。
この「バスケット」の中身が何であるかは、投資する際に非常に重要です。以下のETFランキングでは、それぞれのETFがどのような資産を含んでいるのかを詳しく見ていき、その価値を評価します。
利子がたくさんもらえるということはそれだけ危ないということ。リスクとリターンは表裏一体だね
債券ETFランキング
私がおすすめする債券ETFトップ5を紹介します。ランキングの評価基準には経費率、運用額、設定日、利回り、そして投資対象と投資期間が含まれます。それぞれの項目を重視する理由について解説します。
経費率は債券ETF選びで最も重要です。類似する商品の中で経費率が最も低いものが望ましいとされ、運用成果に直接影響します。長期間の投資では、経費率が低いほどその効果は顕著に表れます。
例えば、経費率が0.1%違うだけで、100万円の投資で1年に1000円の差が出ます。30年間で考えると、その差は31000円にもなります。0.2%の場合は64000円の差が生まれることになります。
運用額も重要です。同じ商品でも運用額が大きいほうが好ましいとされ、運用額が多いほど、人件費などの間接コストを分散できるため、経費率が低く抑えられる傾向にあります。運用額が少ないと、償還(商品が市場から撤退すること)のリスクも高まります。
設定日の古い商品は、過去の様々な市場環境を経験しており、その信頼性が高まります。また、運用の方法が確立されているため、経費率が下がる傾向にあります。
利回りは重要な指標であり、単に高い低いだけでなく、リスクとリターンのバランスを考慮して選ぶべきです。投資目的やリスク許容度に合わせて適切な利回りの商品を選ぶことが重要です。
投資対象は、米国のみか、国際的なものか、国債か企業債か、またはその満期の長短などによっても異なります。これらは投資リスクとリターンのバランスを理解する上で必要な知識です。
おすすめの債券ETF:
- BNDとAGGは安定性で選ばれることが多いです。
- BNDXは国際的な投資先をカバーしています。
- TLTは長期国債に特化しており、市場の変動によるリスク分散を目指しています。
- HYGは高利回り(ハイイールド)企業債に焦点を当てており、より高いリターンを求める投資家に適しています。
1位 BND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)
運用会社: Vanguard
経費率: 0.03%
運用額: $106B(約15兆円)
現在の利回り: 3.67%
BNDはブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスに連動しており、その投資対象は米国政府債及び格付けランクBBB以上の社債が中心です。格付けにおいて、BBBは相対的に低リスクであることから、このファンドは安全性を重視しています。投資対象は1万銘柄以上に及び、非常に広範な分散投資が可能です。
AGGとBNDの比較
BNDとAGGはいずれも広範な米国債券をカバーしており、非常に似ています。両者の主な違いは、BNDが浮動調整を行っている点にあります。浮動調整とは、実際に流動している株式や債券の量に基づいてインデックスの計算を調整することで、より市場の動きに忠実な指標を提供します。例えば、ある企業が30%の株を非売出しとして保持している場合、実際に取引可能な株は残りの70%となります。このように、投資可能な実質の量に基づいてインデックスが調整されます。
この点を考慮しても、AGGとBNDの間で大きな性能差は存在しないため、どちらを選択しても投資成果に大きな違いは生じません。個人的にBNDのほうが好きなため1位とさせていただきました。
2位 AGG(Iシュアーズ・コア米国総合債券ETF)
運用会社: BlackRock
経費率: 0.03%
運用額: $105B(約15兆円)
現在の利回り: 3.65%
AGGは、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合インデックスに連動しており、米国内の広範な債券市場に投資しています。このETFは、米国政府債、高品質企業債(BBB以上)、住宅ローン関連証券など、約8000以上の銘柄に分散投資を行っています。
AGGが長らく債券市場で高い評価を保持してきた実績を持つため、特に伝統と安定を重視する投資家には依然として魅力的な選択肢です。しかしながら、運用額や利回りなどの微細な違いを考慮した上で、どちらのETFを選ぶかは投資家の個別のニーズによります。どちらも非常に似た性能を持つため、アクセスが容易な方を選択するのが一般的です。
3位 BNDX(バンガード・トータルインターナショナル債券市場ETF)
運用会社: Vanguard
経費率: 0.07%
運用額: $53B(約8兆円)
現在の利回り: 2.26%
BNDXは、アメリカを除く世界の多様な債券市場に投資を行うETFです。このETFは、約6000以上の国際債券に分散投資を行い、地理的・経済的リスクの分散を図っています。特に日本の債券が約15%とポートフォリオの中で大きな比重を占めており、日本市場に投資を拡大したい投資家に適しています。
BNDXの特長と投資戦略
BNDXは、BNDに比べてAAA評価の債券比率が若干低いものの、その分、より高い利回りを提供しておりました。昨今はアメリカの利上げが高く、BNDよりも利回りは下回っております。
日本の債券がポートフォリオに大きく含まれているため、すでに日本国債などを持っている投資家には重複する可能性がありますが、日本以外の国際市場にも広く分散しているため、グローバルな視点からの資産配置には最適です。
BNDとBNDXを組み合わせることで、アメリカ国内と国際市場の債券をバランス良く保有することができ、投資ポートフォリオのリスクを効果的に管理しながら、潜在的なリターンを最大化する戦略が可能です。
4位 TLT(Iシュアーズ米国国債20年超ETF)
運用会社: BlackRock
経費率: 0.15%
運用額: $45B(約7兆円)
現在の利回り: 4.25%
TLTは、20年以上の長期米国国債に特化したETFで、100%米国政府が発行した債券に投資しています。このファンドは、経費率が0.15%と他の短期債券ETFに比べてやや高いものの、一般的なETFと比較すると非常に低い部類に入ります。
TLTの特徴と投資戦略
TLTは、長期国債を対象としているため、市場の変動による価格の乱高下が激しいことが特徴です。株式市場とは逆の動きをすることが多く、株価が下落する際には安全資産としての需要が高まり、国債価格が上昇する傾向があります。このため、株式と組み合わせることでポートフォリオのボラティリティを低減させる効果が期待できます。
TLTは、特に長期的な安定投資を目指す投資家や、リタイアメント資金などの運用に適しています。また、経済不安時には特にその価値を発揮し、ポートフォリオのリスク管理に寄与するため、多くの退職資金プランなどで採用されています。
メモ:株式と国債の逆相関は、市場が不安定な時に顕著に表れます。投資家がリスクを避けて安全資産に資金を移動させることで、国債が株式市場の動きとは異なるパフォーマンスを示すことがあります。TLTはそのような市場環境で特に価値を発揮し、投資家にとって安定したリターンを提供する手段となる可能性があります。
5位 HYG(Iシュアーズ・ハイイールド社債ETF)
運用会社: BlackRock
経費率: 0.49%
運用額: $14B(約2兆円)
現在の利回り: 6.19%
HYGは、比較的リスクが高いBB-CCC評価のハイイールド(高利回り)社債に投資するETFです。1000社以上に分散投資しており、各社が破綻しても全体の影響を抑えることができる設計になっています。
HYGの特徴と投資戦略
HYGはミドルリスク・ハイリターンの債券ETFで、安定した高い利回りを追求する投資家に適しています。しかし、金融危機時には価値が大きく下落する可能性があり、リーマンショック時のように価格が半減するリスクも内包しています。
このETFの主な魅力は、その高利回りにありますが、投資する際にはポートフォリオ全体のバランスを考慮し、リスク管理を徹底することが重要です。適切なリスク分散を行いながら、資産成長を目指す戦略には非常に有効です。
メモ:ハイイールド社債は、通常の投資グレード債券よりも高いリターンを提供しますが、それに伴いデフォルト(債務不履行)リスクも高まります。特に経済的に不安定な時期には、これらの債券の価格が大きく変動することがあるため、慎重な投資判断が求められます。
BNDは僕もずっとかっているいい債券だね。昨今は債権の利回りがすごく上がっているので特に買いやすいよ。
ショック時の対応力
最後にVOO(SP500インデックス)と本日紹介した債券ETFの値動きについて確認したいと思います。
コロナショックと連続利上げの局面での各ETFの動向
- VOO (S&P 500 ETF): 株式市場全体が下落。
- BND/AGG (米国総合債券ETF): 株式市場のダウンを軽減し、比較的安定。
- BNDX (国際債券ETF): さらに安定した動きを見せる。
- TLT (米国長期国債ETF): 国債の信頼性から価値が上昇。
- HYG (ハイイールド社債ETF): 経営不安が残る企業への投資で大きく下落。
連続利上げの影響
- BND/AGG/BNDX/HYG: 利上げにより債券価格全般に下落。
- TLT: 長期国債に最も大きな打撃を受け、価値が大きく下落。
長期スパンでのパフォーマンス
長期スパンで見てみましょう。
株式市場は長期で見るとその成長が顕著です。一方、債券ETFは安定性を保ちながらも、株のような高いリターンは見込めないことが明らかになります。
- 安定志向の投資家: 初心者や安定を求める方には、BND、AGG、BNDXが適しています。これらは市場の大波から守りつつ、安定したリターンを提供します。
- リスクヘッジが重要な投資家: TLTは、市場の大波に対して防衛線を提供し、特に株式市場の急落時に価値を守るために有効です。
- 高利回りを求める投資家: 利回りを最優先に考える場合、HYGのようなハイイールド社債ETFが適していますが、高いリスクも伴います。
投資の目的、リスク許容度、市場環境に応じて、適切な債券ETFを選ぶことが重要だね。個々のニーズに合わせたETF選びで、より効果的なポートフォリオを構築しましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか?
ツイッターもやってますのでよろしければフォローいただけると嬉しいです。またコメントも頂けると幸いです。 @StevenToshiCH
それでは、ありがとうございました。
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