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【米国4大自動車株比較】GM vs フォード vs ステランティス vs テスラ(GM, F, STLA, TSLA)

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個別株考察

こんにちは、Stevenです。@StevenToshiCH

本日は広大なアメリカの土地を支える、4大自動車の株を比較していきたいと思います。

その中でもテスラはかなり異質となりますが・・・

アメリカは圧倒的自動車社会です。一部の都市にはギリギリ地下鉄があるものの満員電車になったりすることは稀です。基本的には自動車で通勤し、自動車で買い物をし、自動車で旅行にでかけます。一番発展しているニューヨークでも通勤はタクシーという人も多いと思います。

そんなアメリカを支える圧倒的自動車社会の象徴でもある自動車メーカーを紹介・比較したいと思います

本日の記事のポイント

・ロビー活動がうまいGM
・ラインという考えを作ったフォード
・買収合併に振り回されるステランティス
・異端児テスラとその強さ


-ちょっぴり自己紹介-

自動車関連会社勤務の30代です。現在アメリカに赴任しております。現地で実際に商品・サービスを触れてみてアメリカ株を勉強していきたいと思っております。

このブログはこんな人に向けて書いております

・株には興味があるけど時間がないサラリーマン投資家
・海外赴任・アメリカ生活にまつわる活きた株の話が好きな投資家
自動車関連銘柄に興味がある変わった投資家

また、ほかの自動車会社の決算や考察も以下で一覧にまとめております。よろしければ見ていただければ幸いです。

米国の自動車業界

mercedes benz parked in a row
Photo by Pixabay on Pexels.com

アメリカは州や都市によって状況がかなり異なります。

一般的に都市部は乗用車が、田舎ではピックアップトラックが多くなります。

都市部は日本と似たような状況で、小型車が結構人気です。ヤリスクラスの車もたくさん走ってますし、カローラクラスの車もたくさんみます。高級車ではヨーロッパ車が多い印象です。また最近では電気自動車もたくさん走っている印象です。

田舎ではピックアップトラックが人気です。高級車でもF-150など超大型車がかっこいいとされており、とにかく走っている車の車格が大きいのが特徴です。

さらに北と南でもかなり好まれる車種が違います。北部ではピックアップトラックに加えてSUVがとても人気で、4駆に支持が集まります。トヨタRAV4やSUBARUフォレスターなどがたくさん走ってますね。逆に南の地域では4駆のニーズは少し落ちます。

ピックアップトラック・SUVはアメリカではトラック区分となり、税金が抑えられていることも大きいです。またカリフォルニア州やコロラド州では電気自動車への補助金がかなり用意されていたりします。こういった州ごと、都市ごとで結構売れている車が違うのがアメリカの特徴です。

州ごとの一番売れている車を表した図です。こう見ると結構ホンダ売れてるんですね、日産も食い込んでおりますし、トヨタもいます。ただそれでも一番売れているのはフォードのFシリーズと言われるピックアップトラックですね。

続けて各社の特色を見ていきましょう。

ゼネラル・モーターズ (GM: General Motors)

2021年の世界販売台数は4位で630万台(1位はトヨタ950万台)となります。

1908年創業で本社はミシガン州デトロイトに構えます。初期にいろんな自動車メーカーを買収したことにより、たくさんのブランドを持っております。2009年に一度倒産し、国有化された歴史もあります。

アメリカの繁栄を象徴するような会社で、圧倒的なモータリゼーションを支えた最強企業でした。1950年代までにたくさんの電鉄会社を買収しては解体するという手法で、徹底的に自動車社会を推し進めた会社でもあります。1970年代のオイルショックまでは大きい車格でパワフルな車が売れに売れたため、絶好調でした。ガソリン価格の高騰、また新興国の台頭で次第に売上を落としていきます。2000年には環境保護問題がしきりに取り上げられるようになり、燃費の良いハイブリットカーに主権を取られてしまいます。2008年には77年連続世界販売台数首位をトヨタに明渡し、世界金融危機のあおりもうけ2009年に破産し、国有化します。2013年には国有化解消後、シェールオイルの台頭もありガソリン価格が安定したことも追い風となり、再び元気になっております。

ブランドとしてはビュイック、キャデラック、GMC、シボレーがあります。どのブランドも大型で排気量の多く高級なブランドばかりです。アメリカ・中国が主な主戦場となっております。CASE分野でも少し出遅れておりますが急激に電動化を進めようとしております。パートナーとしてはマイクロソフトがおります。

CASE= Connected(コネクテッド), Autonomous(自動運転), Shared Sevice(シェアリング), Electric(電動化)の略

直近10年の売上は下降傾向となっております。環境への高まりの逆風、また昨今の複雑化した車のシステムに追いつけていない印象です。

フォード(F: Ford Motor Company)

2021年の世界販売台数は8位で390万台(GMは630万台)となります。

1903年創業で本社はミシガン州ディアボーン(デトロイトの横)に構えます。フォードTモデルと呼ばれる量産ラインで生産した圧倒的安価な車で、アメリカのモータリゼーションを国民的な動きにお仕上げた会社として有名です。

フォードもGM同様、アメリカのモータリゼーションを支える企業の一つです。ライン生産の生みの親として、様々な今に残る工場の労働環境に影響を与えた企業でもあります。1920年代まではフォードTモデルのみを生産し、150程度あった自動車会社全体の生産量の半分を誇る圧倒的人気車種となっておりました。ただ国民が豊かになるにつれて、自動車にもより個性や高級な思考を求める様になったタイミングでGMに売上販売台数を抜かれてしまい、そこから追いつけなくなります。GMとの熾烈な米国市場争いに破れたこともあり、世界進出はかなり早い時期に行っておりました。アメリカだけでなく、世界のモータリゼーションを牽引したと言っても良い会社です。またGMが基本的に大きく高級志向であるのに対して、安価~中価格帯の車を得意としております。

ブランドとしてはリンカーンがあります。一時はアストンマーチン、ジャガー、ランドローバー、ダイムラーなどのブランドも傘下におさめておりましたが、金融危機の際にすべて手放しております。

フォードはコロナまでは順調に売上を伸ばしておりました。

好調なアメリカ市場で圧倒的な地位を保っております。企業体力的にもセダンを諦めたことが逆に企業業績を伸ばしております。北米独特の市場であるものの、ピックアップトラックもかなり強いです。

ステランティス(STLA: Stellantis N.V.)

2021年の世界販売台数は5位で614万台(GMは630万台、フォードは390万台)となります。

ステランティスはかなり特殊な会社です。2021年にPSA(フランスプジョー)とFCA(イタリアフィアット)が合併し誕生した会社です。そのもととなるPSAもFCAももともと合併で大きくなった会社でああるため、ステランティスは14ブランドも持っております。アメリカ企業でいうとクライスラー、ダッジ、ジープ、ラムがあります。

wikipediaより

ステランティスブランドの中でも最大のアメリカブランドであるクライスラーに、GMとフォードを含めてビッグスリー(デトロイトスリー)と呼ばれております。クライスラーの歴史は合併・買収・破産と経営的な戦略で揺れた会社と言えるでしょう。デトロイトスリーの中では一番小さいクライスラーは経営を安定させることができず、無理な拡大路線が何度も失敗しております。現在は14ブランドの集合体の一部となっておりますが、逆を言えば1ブランドで世界に立ち向かえなかった会社が集まった会社とも言えます。

ステランティスは合弁したばかりのため、会計年度の違いより合算値が若干おかしくなってしまっております。合併の効果が出てくるのはもっと先だと思いますので、参考程度ですね。

テスラ(TSLA: Tesla)

2021年の世界販売台数は圏外で94万台(GMは630万台、フォードは390万台、ステランティスが614万台)となります。

テスラはとても投資判断が難しい会社です。現在の売上のほとんどはEV車によるものです。そしてその取り巻きとして電力事業の売上も好調となっております。

ただし、テスラが狙っている姿は自動運転が当たり前となる世界です。そしてその自動運転を最適化するためにモビリティと設備を先行投資という形で売っているのです。現時点では価格帯の高いテスラ車を売り、高級車という付加価値をつけながら行っております。自動車を作る技術と充電設備が拡充した際には低価格で自動運転車をばらまきテスラなき交通網が成り立たない社会を狙っております。そしてそのインフラの中でテスラ車のAIがなければならない状況を作り出すことが目的です。

そのため、現時点での売上や利益などはあくまでやりたいことの通過点として「自動車を売っているだけ」のスナップショットとなります。テスラを図るにはもっと先のビジョンで達成したいことが達成できた場合の絵を見る必要があります。

テスラの成長速度驚異的で、現在世界一利益率がよい自動車会社といっても過言ではありません。

Steven
Steven

アメリカビッグスリーは似たような歴史を辿っている中でテスラが出てくる。これがアメリカ経済の強さだろうね。ビッグスリーがいたからこそ、自動車産業の地盤があるからこそ、テスラが後発でもここまでの成長が可能という側面もあるよ。

売上・利益の比較

green vehicle on concrete road
Photo by Kaique Rocha on Pexels.com

続いて利益・売上の比較を行いたいと思います。

売上の比較

売上の差を見てみましょう。

ステランティスの数字が2020年と2021年が平均されたぐらいの数字だと思ってください。こう見るとビッグスリーは大体似たような売上規模ということがわかるかと思います。

売上台数を見てみると、GMとステランティスが同じくらいなのに対して、フォードがかなり少ないことがわかります。Fordは乗用車を捨てて、SUVとピックアップトラックに振り切っていることから、価格帯が他に比べて高いです。大型車の中価格帯というよくわからない分野ではありますがそこで成功しているといえますね。

またテスラが販売台数ではかなわないものの、売上では半分程度まできており、もう2~3年で彼らを追い抜きそうですね。

利益比較

利益の差も見てみましょう。

フォードがぶっちぎりのようにも見えますが、この中にリビアンのIPO収益($90,000K)も入っており、ステランティスは会計年のマジックであるため、実績はGMとさほど変わりません。テスラがどんどん近づいているのがわかりますね。

利益率比較

営業利益率の推移を見てみましょう。

利益率でもフォードがIPOを抜けば7%ほどになることを考えると、テスラが一番となっております。ここまで赤字できておりましたが、一気に盛り返してきておりますね。

Steven
Steven

これは本当にあとちょっとでテスラがアメリカビッグスリーを抜いてしまうね。現在首位のトヨタも4年か5年ぐらいで抜かれてしまうかもね。

株価比較

過去5年の株を比較してみましょう。テスラを入れるとほかが見えなくなるので抜いております。

GMはあまり評価されておらず、フォードとステランティスが同点かなといった状況ですね。ステランティスが合併後でも株価にそんなに大きな差がないので、正直あまり期待されてないとも取れますね。

一応テスラを入れた株価の推移も載せておきます。

Steven
Steven

テスラやばすぎる。そりゃこの成長速度ならそうなりますよね。

終わりに

いかがだったでしょうか?

テスラが自動車会社の、アメリカのホープと呼ばれる所以がよく分かる比較でしたね。

ツイッターもやってますのでよろしければフォローいただけると嬉しいです。毎週月曜日6時AMには経済指標をツイッターでまとめて発信しております。またコメントも頂けると幸いです。 これからもアメリカの現地の声を届けていければと思っております。@StevenToshiCH

それでは、ありがとうございました。

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