こんにちは、Stevenです。@StevenToshiCH
今回は自動車業界を占うことのできるメガサプライヤー、デンソーを取り上げたいと思います。
今日の記事のまとめ
・デンソーは最高売上達成!ただし利益は最高益ではない。
・2022年度は過去最高売上・利益予想! 強い数字。
・レッドオーシャンである自動車業界で生き残れるかはまだ不明
-ちょっぴり自己紹介-
自動車関連会社勤務の30代です。来年からまたアメリカに赴任となってしまいました。赴任時には日本の証券会社とはおさらばとなりますが、向こうでアメリカ株をさらに勉強するチャンスととらえて前向きに頑張ります。
このブログはこんな人に向けて書いております
・株には興味があるけど時間がないサラリーマン投資家
・自動車関連銘柄に興味がある変わった投資家
また、ほかの自動車会社も以下でまとめております。
デンソー(6902)
・国内最大、世界2位の自動車部品メーカー
・トヨタグループに属しているが、現状売り上げの半分はトヨタグループ外
デンソーはトヨタグループでありながら、世界2位の自動車部品メーカーです。トヨタの電装部品を扱っておりましたが、現在は車のあらゆる部品を生産しております。
昨今ではEVや自動運転に切り替わることに伴いセンサーなどが大幅に必要となることが予想されており、自動車以上に伸びしろがある会社といわれております。
※ただし自動車部品でも内燃機関などを生産している会社は向かい風
株価分析
デンソーの株価は調子がいいですね。ただトヨタの株価に比べるとボラティリティが激しいです。これはデンソーの売上の半分がトヨタ外に向いていることに起因します。
急激なEVシフトや自動運転の激化に伴って大きく株価を上げておりました。そして、トヨタまでもEVをさらに増産する発表を昨年12月に行い、株価は最高値を付けます。
ただ、ロシア・ウクライナの戦争の問題を発端に一気に自動車業界全体の地合いが悪くなりました。トヨタのみであればヨーロッパや中国などロシアに関連が深そうな地域の影響は少ないですが、デンソーはもろに株価を直撃しております。それでも今回の決算にて来年度の目標を好感し一気に反発しました。それでもトレンドラインの200日移動平均線は超えられていないため、ここが超えれるかどうかがみものです。
きれいな右肩上がりってわけではないね、株価を見る限りだとトヨタのほうがよさそうだね
業績分析
売上はリーマンショック以降順調に右肩上がりを続けております。
一方利益についてはかなりジグザグしており、安定しているとはいいがたい状況です。直近の2020年では品質問題対応としてかなりの利益を吹っ飛ばしております。
自己資本率はかなり高い水準を維持しております。利益は凸凹してますがすぐにどうこうなるレベルではないですね。
営業活動によるCFもジグザクしております。利益が伸びてないだけではなく、営業活動によるCFも伸び悩んでいるのはちょっとマイナスですね。ここがきれいに伸びていると気持ちいのですが。
ただ投資はしっかり行えているようでそこに関してはプラスです。
日本の会社らしくなんか安定感がないですね。トレンドには乗れている会社にはなるとおもうので、来年以降の予想に期待です。
直近の決算確認
さて、直近の決算資料を見てみましょう!
決算のポイント
・2022年3月期の実績は、半導体不足などによる車両減産他外部環境の影響あるも、新型コロナウイルス感染症による影響からの回復と、採算改善努力などにより、前年比で増収・増益。
・来期の業績予想は、外部環境が不透明な中ではあるが、好調な売上収益と、採算改善の積み増し、変動対応力の更なる強化や、経営基盤強化の取組みを反映し、売上収益 6兆3,500億円、営業利益 5,600億円。
・当期の年間配当は165円(前回公表比+5円)、来期予想は180円(中間/期末各90円) とし、今後も長期・安定的に配当水準を向上させていく。
この冒頭の説明にすべてが集約されているかなと思っております。
収益は過去最高の5兆5155億円となり元の予定を上回ることができました。(もとは5兆4000億円)
ただし、営業利益は3412億円と元の予定の4000億円に届きませんでした。
このページがデンソーの決算で一番面白くて、業界の推移がわかるページとなっております。拠点と今年で明暗が分かれた会社が一発でわかります。
これを見るとトヨタが群をぬいて好調だったことがわかります。物量ベースで+10%以上伸びております。VWが全然だめで、GM・日産もあまり回復しておりません。一方フォード伸びが著しいこともわかります。
ただ、すべてのメーカーで物量よりも売上ベースでは回復していることから、各社も限られた部品の中で大型車に注力したことがわかります。こういった影響もありデンソーの売上も伸びているんですね。
※ただデンソーの売上のため、デンソーの失注や新規発注に伴い増減する点は注意が必要となります
テスラに売ってほしいなぁ・・・
売上構成上記の通りとなっております。ただし利益ベースでは公開されておりません。利益ベースの構成がないということはこの中でかなり足を引っ張っている部門と牽引している部門の明暗が分かれていることが予想されます。
そのなかでもエレクトリフィケーションシステムとセンシング&セミコンダクター部門がかなり売上規模も伸びているため、ここが儲けの源泉であることが予想できます。
地域別の売上収益と営業利益です。
日本での利益率が高いのは当たり前として北米・欧州で全く利益が出てませんね・・・むしろ去年より後退しているのはなんでなんでしょうか???
こちらは利益もしっかり出しているのに、部門で出してないのはなんでなんですかね。
来年度の予定は絶好調です。過去最高売上・利益をたたき出す予定となっております。
注意いただきたいのは、減産リスクを900億円しか加味していないことです。現時点では半導体の不足、ロシア・ウクライナの戦争、中国のロックダウンなど様々な理由に伴う減産をどこまで織り込むことができるかわかりません。ただデンソーはあくまで自動車部品会社ですので、元となる資料も各得意先である車両メーカーの予想をもとにしていると思います。その車両メーカーの予想も同じく減産をある程度考慮しているはずですので、一応二重に下振れリスクを構えているということでしょう。それでも最高益になる予定となるのでさすがです。
デンソーの決算を見ると、ほかの自動車会社もかなり調子のいい数字を出しそうだね!
今後の展望
テスラは現在主要メーカーを束にしても時価総額で勝てておりません。
デンソーの今後はやはり今後のEVと自動運転技術のコアとなる部品をどこまで車両メーカーに供給できるかという点にあります。ただ、その先駆者であるテスラはデンソーを全く頼っておりません。それはテスラが自身でコアとなる技術は独自に開発しているからにほかなりません。そのほかの重要でない部品は安いところに発注をかければよいのです。
またデンソーはトヨタグループですので、最先端技術は基本的にトヨタと開発をしております。ここを脱皮することができればほかのメーカーにも最先端技術をどんどん出荷していけるはずですが、トヨタとしては手放すことはないでしょう。売上こそは半分はトヨタ外となっておりますが、あくまでトヨタありきの会社であると予想できます。
自動車全体のニーズは自動運転の完成(完全無人タクシーの誕生)をもって減産に向かうはずです。全体のパイが下がっていく中でどれだけコア技術に投資ができるかが自動車部品会社においては重要と思います。その中ではデンソーは比較的明るいと思います。
まとめ
長期保有という意味では、トヨタ同様まだ岐路にあり、危険という認識です。
EVと自動運転が本格的に始まった時にのっかても遅くないのかなとは思います。
自動車業界は本当に戦国時代だね。限られた領土内の争いだからなかなか投資が難しいね。
いかがだったでしょうか?
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それでは、ありがとうございました。
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