こんにちは、Stevenです。@StevenToshiCH
今回はANAとJALの1Q22年度の決算を比較して、どちらがより投資適格なのかと考察をしたいとおもいます。
以前の考察は以下となりますので合わせてお読みください。
・ANAもJALもどちらも決算クリア
・ANAは黒字化達成
・どちらも見通しは変更せず、黒字を狙う
-ちょっぴり自己紹介-
自動車関連会社勤務の30代です。アメリカに赴任しております。アメリカ株をさらに勉強するチャンスととらえて前向きに頑張ります。
このブログはこんな人に向けて書いております
・株には興味があるけど時間がないサラリーマン投資家
・海外赴任・アメリカ生活にまつわる活きた株の話が好きな投資家
・自動車関連銘柄に興味がある変わった投資家
また、ほかの自動車会社の決算や考察も以下で一覧にまとめております。よろしければ見ていただければ幸いです。
日本の両翼、ANAとJAL比較
・日本を代表するANAとJAL
・世界と戦うには規模が小さい
・国内需要はジリ貧
ANAとJALは日本を代表する航空産業です。
日本は経済大国なので、小さな国土にも関わらず2つも国を代表する航空会社があります。アメリカ・中国を除く他の国には基本一つだけです。これはとてもすごいことで、日本に住む我々は競争をしっかりしてくれる2社の中から選んで使うことが可能です。
とはいえ、ANAもJALも世界と比較とするとそこまでの経営規模ではありません。海外と戦うには規模が小さく、国内の需要だけでやっていけるほど大きな需要があるわけでもありません。
それを解消するために、ANAもJALも国際線に力をいれておりました。ただコロナでそのシナリオが崩れてしまい、現在窮地に立たされております。
売上・利益の比較
ANAとJALの売上規模の比較を見ていきましょう。
売上の比較を年単位で見てみましょう。
ANAのほうが売上規模が大きことがわかります。JALは以前国営企業として君臨していたので規模が大きそうに思えますが、破産を経てかなり経営規模を小さくなってしまいました。
さらにコロナ渦で大きな打撃を受けていることが伺えます。売上が半分以下になってしまっているのが恐ろしいところです。ただ、2022年度の予想はかなり2019年に近い数字まで回復してくることを見込んでおります。
利益の比較を見てみましょう。
関係が一転して、JALのほうが稼いでいたことがわかります。これはJALが破産の際に不採算事業を一掃できたことが大きいです。破産後のJALはスリム化し経営的に強い会社へと変貌しました。
ただ、コロナの影響はどちらも甚大です。それでもANAのほうが若干回復が早いように思えます。ANAは図体が大きかったですが、このコロナ渦でかなりスリム化を図れたことでJALと同じような筋肉質な体質へと変貌しました。
利益率を見てみましょう。
年を追うごとにANAとJALの差がジリジリ縮まってきており、2020年からは逆転し始めております。ANAは拡大路線をずっと続けておりましたが、ここに来てかなり路線の整理を行えたことが大きかったと思われます。
ANAもJALもボクから見ると乗りたい航空会社だけど、データで見ると結構違いがあるんだね。もちろん、経営面で優れている≠顧客満足につながるわけではないのですが。
売上セグメント比較
売上セグメントの比較を見てみましょう。
セグメントを比べて見ましょう。比較のために、最大航空会社のデルタ航空も一緒に表示しております。
ANAとJALは国内線・国際線の売上は半分半分といった特徴があります。それに比べてデルタ航空はほとんどが国内線需要で成り立っていることがわかりますね。コロナの打撃を一番受けておりますので、海外となります。国際線の売上が戻らない以上ANAもJALも苦しいことがわかるかと思います。
1Q22年度の決算比較
それでは第一四半期の決算の内容を振り返ってみましょう
ANA(9202)
まずはANAの第1四半期の決算結果を見たいと思います。
ANAはなんと売上高・EPS共に決算を予想をクリアしてきましたね。
特にEPSがプラスで終わっておりこれはとても素晴らしい結果が出てきましたね。市場予想では赤字と予想されていただだけに、1Qから黒字に持ってきたことは純粋に驚きです。
経営成績のハイライトです。
営業利益自体はまだマイナスであるもの、為替差益のお陰でプラ転しました。営業利益もかなりマイナス幅を抑えることができたことから黒字に持っていけることができましたね。
収入・費用の詳細です。
国際線の回復が目覚ましい状況です。国内線も順調に回復しております。貨物も単価が伸びているためとても理想的な状況です。
海外旅行がこの夏より積極的に行けるようになりつつあるので、さらに今後も国際線の需要は伸びそうですね。
売上とEPSの四半期グラフです。
売上もEPSも上向きで回復してきております。夏の需要はさらに旺盛になるはずなので、売上がこのベース以上で推移してくれれば今年度黒字をキープできそうですね。
JAL(9201)
JALの第1四半期の決算結果を見ていきましょう。
JALも売上・EPS共に予想を上回って来ました。
ただ、EPSはまだマイナスに沈んでおります。まだまだJALは厳しい状況ですね。
業績の詳細です。
ANA同様、国際線の回復がめざましく、国内線も大きく上昇しております。国際線については単価がかなり高くなってきていることも売上を押し上げる要因となりそうですね。
売上とEPSの四半期推移です。
EPSがはずっとマイナスに潜りっぱなしとなっており依然として厳しい状況が続きますね。売上は順調に上向いている途中なので、そこは評価できます。
一応営業キャッシュフローはJALも黒字になっているため、ずいぶん安心して見れるような状況となってきました。
株価の推移
VOOとANAとJALの2018年からの株価推移です。
ANAもJALもコロナ以降全く回復の兆しがありませんね。
今回の決算を受けてANAは+2.59%、JALは+2.38%上昇しました。それ以降もどちらも上昇トレンドにおります。ANAのほうが黒字化していることもあり出来高を伴った上昇が続きましたね。やはりマーケットはANAのほうが評価しているように思います。
ただ、このように長期でならしたチャートで見ると微差であり、航空業界の難しさを示しているかと思います。
株価というものは常に直近の未来を反映するといわれているよ。つまり世界ではまだまだ航空産業の未来は明るくないということを物語っているね。
終わりに
いかがだったでしょうか?
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それでは、ありがとうございました。
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