最近、北方領土をめぐるロシアの動きが気になって、AIといろいろ話していた。
最初に考えていたのは、かなり目の前の話だった。
なぜ今、日本を刺激するような行動を取るのか。
日本が警戒して防衛費を増やしたり、ウクライナ支援を強めたりすれば、長期的にはロシアにとってマイナスではないのか。
中国の台湾問題や、日本の防衛は今後どうなるのか。
そんな話をしていたはずだった。
でも話しているうちに、
「そもそもロシアのような個人への依存が大きい政治体制は100年後も残っているのか」
という話になった。
そこから中国、民主主義、AI、戦争。
気づけば北方領土から100年後の人類まで来ていた。
AIと話していると、たまにこうなる。
そして最後に投資の話へ戻ってきた。
ここまで未来が分岐するなら、自分が勝つ国や企業を当て続けるのはかなり無理がある。
だったら世界そのものを持っておけばいい。
結局、今回もオルカンの話になった。
ロシアを見て考えた、個人に依存する国家の弱さ
ロシアを考えていて一番気になったのは、プーチン氏がどうこうというより、政治体制が一人の指導者に強く依存することだった。
独裁的な政治には強みもあると思う。
意思決定が速い。
選挙を気にせず長期政策を進められる。
国家資源を特定分野へ集中することもできる。
優秀な人がトップなら、民主国家より速く動ける可能性もある。
一方で、その人が間違えたときに止めにくい。
そしてもっと難しいのが、
「次のトップをどう選ぶのか」
という問題だと思う。
国家にとって一番優秀な人が、現在の指導者にとって一番都合のいい人とは限らない。
能力95、忠誠度50の人より、
能力75、忠誠度100の人が後継者になるかもしれない。
個人への依存が大きい政治体制は、うまくいっている間は強い。
でも長い時間軸では、この交代の仕組みがかなり重要になる。
では中国も同じなのか

ここで中国を考えると少し違った。
中国も権威主義国家だけど、巨大な党・行政組織を持っている。
地方や中央で長期間経験を積ませながら人材を選び、その中から指導者を作っていく。
ここにAIが本格的に入ったらどうなるのだろう。
経済だけではなく、
所得、教育、治安、産業、環境、財政。
いろいろな結果を長期間見ながら行政官を評価することもできる。
もしそれをかなり公正に運用できれば、選挙とは別の方法で優秀な政治家を選び続ける制度ができる可能性もある。
「独裁だからそのうち負ける」と単純に考えるのは危ない気がする。
投資家として中国を考えるなら、ここは結構重要だと思う。
ただし、中国にも結局同じ問題は残る。
最高指導者を誰が評価するのか。
失敗したとき誰が交代させるのか。
後継者を誰が決めるのか。
任期を決める。
権力を分散する。
正しい統計を出す。
反対意見を残す。
失敗した指導者を交代できるようにする。
権威主義を長期間安定させようとすると、結局こういう仕組みが必要になってくる。
面白いのは、そこまでやると少し民主主義に近づいてくることだ。
民主主義だって100年後は今の形ではないかもしれない
逆に、民主主義が今のまま残るとも限らない。
今は基本的に政治家を一人選ぶ。
でも、
外交政策はこの人がいい。
経済政策は別の人がいい。
教育はまた違う。
と思っても、全部まとめて一票だ。
政治家というパッケージ商品を数年に一度買っているようなものだと思う。
今までは仕方なかった。
国民全員が毎週政策を勉強して投票するなんて現実的ではない。
でもAIがあれば変わるかもしれない。
難しい政策について、AIに賛成と反対を整理してもらう。
自分が分かる分野は自分で決める。
分からない分野は信頼する専門家に票を委任する。
そんな仕組みも技術的には考えられる。
そうなると100年後は、
民主主義が勝つのか。
独裁政治が勝つのか。
という二択ですらないのかもしれない。
両方とも今とは違う制度になっている可能性がある。
それでも100年後、人間は戦争しているのか

ここからさらに話が飛んだ。
政治制度がそこまで進化したとして、それでも人間は戦争するのだろうか。
自分は、争い自体はなくならないと思う。
国も企業も人間も競争する。
ただ、争い方は変わっていくかもしれない。
ドローン。
AI。
サイバー攻撃。
衛星。
半導体。
エネルギー。
経済制裁。
すでに戦争は「兵士同士が撃ち合う」だけではなくなっている。
もちろんAIによって逆に戦争がやりやすくなる未来もある。
だから100年後は平和になっています、と楽観する気にもなれない。
ただ、EUを見ると少し希望はある。
かつて何度も戦争したフランスとドイツが、今では同じ共同体の中にいる。
人間が急に善人になったわけではない。
戦争をすると自分も困るように、経済や制度を結びつけた。
平和とは、みんなが仲良しになることではなく、
嫌いな相手とも殺さずに喧嘩できる仕組みを作ること
なのかもしれない。
ここまで考えて、投資家として何が分かったのか
そしてようやく投資の話に戻ってきた。
100年後、
アメリカが今より強いのか。
中国が強いのか。
民主主義が進化するのか。
中国型の政治体制が進化するのか。
AIが世界を大きく変えるのか。
インドやアフリカが世界経済の中心になっているのか。
そもそも今の国家の形が残っているのか。
分からない。
しかも自分は政治学者でもAI研究者でも国際政治の専門家でもない。
少し調べてAIと話したくらいで100年後の勝者が分かるなら、たぶん専門家はもう少し楽な仕事をしている。
考えれば考えるほど、未来を当てるために必要なファクターが多すぎることが分かってくる。
そこで自分はやっぱりオルカンに戻る。
勝ち馬を当てずに、世界を持っておく

オルカンを持つということは、
アメリカが勝つ。
中国が勝つ。
AIが勝つ。
半導体が勝つ。
と、一つの未来を選ぶことではない。
その時代に価値を生み出している世界中の企業を持っておく。
アメリカ企業が強ければ、その比率が大きくなる。
別の国が伸びれば、そちらが大きくなる。
今は存在しない企業が巨大になれば、いずれ指数の中に入ってくる。
逆に今の巨大企業が衰退すれば、自然に存在感が小さくなる。
自分で100年後の勝者を選ばなくていい。
最近はこれが、オルカンを持つかなり大きな理由になっている。
世界がどうなるか分からないからオルカンを買う。
これは少し消極的にも聞こえる。
でも自分の中では逆だ。
「どの国が勝つか」ではなく、
「人間はこれからも豊かになろうとする」
という、もっと大きなところに賭けている。
もちろん自分は個別株も買う。
未来は分からないと言いながら、Alphabetが欲しくなったりもする。
その辺は人間なので仕方ない。
ただ、コアでは当てにいかない。
ロシアの行動を見て、その先を考え、中国を考え、AIを考え、100年後の戦争まで考えてみた。
それでも未来は分からなかった。
むしろ考える前より分からなくなった。
だから、自分は世界の勝ち馬を探し続けるより、オルカンで世界そのものを持ちながら投資を続けたい。
今のところ、それが一番しっくりきている。

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