こんにちは、Stevenです。 @StevenToshiCH
今回は僕が最近読んだ本を紹介させていただきたいと思います。
1. はじめに
最近、投資界隈でちょっと話題になっている**「投資の思考法」**(堀江たかふみ・後藤達也共著)という本を手に取ってみました。堀江さん(堀江たかふみ)は、ホリエモンとして知られ、数々のビジネスに挑戦し成功や挫折を経験してきた実業家。これまで「自ら事業を創り上げ、そこに投資する」という手法を得意としてきた印象があります。
そんな堀江さんが、今注目を集める株式投資や投資信託の世界に足を踏み入れるというのは、正直驚きでした。どうせなら「自分で事業をコントロールするほうが面白い」と考えていそうな堀江さんが、なぜ他人が経営する企業に投資するのか?その思考過程に触れることで、私たちも「投資」という行為を再定義できるかもしれない。そう思って読み進めてみると、意外にも素朴な取り組み方だったり、独特の目線が光っていたりして、なかなか面白い体験ができました。
堀江・後藤流 投資の思考法 [ 堀江貴文 ] 価格:1,650円(税込、送料無料) (2024/12/15時点) |
本書の概要と狙い
「投資の思考法」は、堀江さんが実際に株式投資や投資信託を始めてみた結果や、その背景にある考え方を示しつつ、後藤さんが初心者向けの解説を挿入する構成です。いわゆる「これをすれば儲かる!」といった直接的なハウツー本ではなく、堀江さん自身が「投資」という未知の領域で探り探り試行錯誤する様子を垣間見ることができます。
後藤さんは、投資の基本用語や仕組みについて丁寧に説明していますが、それはあくまで補足的なもの。メインディッシュはあくまで堀江さんの思考過程です。なぜこの銘柄なのか、なぜこのタイミングなのか、それを明確に数値で示すのではなく、「事業家としての目利き」で語るシーンが多く見受けられます。その意味では、この本は投資テクニックを学ぶ本というよりも、一人の事業家が新たなフィールドに挑むプロセスを観察するルポに近いと言えるでしょう。
また、本書は「投資がブームとなっている昨今、自分にもできるかな?」と考える人にも一石を投じています。なぜなら、堀江さんのアプローチはあまりにも独自で、凡人には簡単に真似できないからです。そこにこそ、この本の狙い、つまり「投資とは何か」を考え直させるメッセージがあるのかもしれません。
3. 堀江さんの視点:事業投資から株式投資へ
堀江さんは、ライブドア時代から数々の事業を手がけ、その後もロケット開発や飲食業、エンタメ関連まで幅広く手を伸ばしてきました。彼にとっての投資は、基本的に**「自分がコントロールできる領域への資金投入」**でした。自分が舵を握れば、方向転換も戦略変更も思いのまま。リスクやリターンも、ある程度自分の判断に帰結すると考えていたのでしょう。
しかし今回、株式投資は真逆です。他人が運営する企業に資金を置く行為は、堀江さんにとって初めて尽くしの実験に近い。これが面白いのは、「ビジネス経験が豊富な堀江さんは、他人のビジネスをどう評価し、どこにチャンスを見出すのか?」という点です。
本書では、堀江さんが実際に興味を持った銘柄や業界に触れつつ、その判断基準が明確な数値分析よりも、事業アイデアの面白さや経営者への信頼感で決まっているように見えます。つまり、彼は投資の世界でも「自分が事業を選ぶ感覚」を持ち込んでいるわけです。これは、単なる財務分析に終始する投資手法と一線を画す、独特の視点と言えます。
4. 初心者へのハードルと上級者向けの要素
では、この本は初心者投資家におすすめでしょうか?結論から言えば、初心者にとってはややハードルが高いかもしれません。なぜなら、堀江さんは「逆張り志向」が強く、表面的な業績やトレンドに流されず、「この企業は将来面白いことをやりそうだ」という直感的な判断が多いからです。
初心者が「この銘柄は割安でPERが低いから買おう」といった定石で投資を始めるのとは違い、堀江さん流の投資には事業理解力、先見性、精神的なタフさが求められます。株価が下がっても「これから花開く事業だ」と信じ、持ち続ける忍耐力。経営者や業界の動向を追いかけ、常に新しいトレンドを掴む努力。そうした総合的な力が必要になるのです。
この点を踏まえると、本書はむしろ投資に慣れ、ある程度経験を積んだ人が「こんな考え方もあるのか」と視野を広げる参考にするのが適していると言えます。
5. 再現性の難しさとその裏返し
さらに問題なのは再現性です。堀江さんは、有識者や経営者仲間など、一般人には到底築けないような人脈を持っています。そこから得られる「生きた情報」や「実務的な経営観点」は、普通の投資家が入手できるものではありません。
つまり、堀江さん流の投資手法をそのまま再現しようとしても、凡人には不可能に近いのです。しかし、ここで嘆く必要はありません。裏を返せば、「堀江さんほどの大物ですら、株式投資に必勝法は持っていない」ことがはっきりしたわけです。
これは逆に、私たちが「投資ってそんなに簡単じゃないのね」と納得する助けになります。堀江さんが提示する考え方は、決して魔法の杖ではありません。こうした現実を知ることで、投資に対する過度な期待や焦りを抑え、地に足のついた戦略を練ることができるでしょう。
6. 得られる学びとポジティブな評価
本書から得られる学びとしては、いくつかポジティブなポイントがあります。
まず、投資を「事業を見る目」で捉え直せること。
単なる株価の上下に一喜一憂するのではなく、この企業がどんな価値を生み、どんな顧客を獲得し、どのような産業構造の中で生き残るのか。そうしたビジネス的観点を持つことで、投資は単なるマネーゲームではなく、「社会を読む」行為へと昇華します。
次に、成功者であっても苦戦する不確実性を再確認できる点。
堀江さんくらいの人でも、株式投資で確実な勝ち筋があるわけではない。これを知ることで、私たちは「高望みはせず、地道にやろう」と思えるかもしれません。これはメンタル的な安定につながり、投資の継続性を高める一因となります。
さらに、実業家の頭の中をのぞける楽しさもある。
どの業界が注目すべきか、どの経営者が信頼できるか、そうした具体例が垣間見えるため、自分の発想を広げるヒントを得られます。たとえ同じように行動できなくても、思考プロセスから学べるものは多いでしょう。
堀江ファンにとっての「買い」ポイント
特に、堀江さんのファンであれば、この本は「買い」と言えます。なぜなら、普段は「事業家として攻める堀江」を見ているファンにとって、この本は「投資家として探る堀江」を初めて目にするチャンスだからです。
彼がどのような基準で銘柄を選ぶのか、その際に事業家としての経験がどのくらい活用されているのか、あるいはどれだけ手探りなのか。それらを知ることで、堀江さんという人物がどんな思考回路で新しい領域へ踏み込むのか、より深く理解できます。ファンにとって、これは非常に貴重な情報であり、彼の多面的な魅力を再発見できる機会になるでしょう。
8. まとめ
「投資の思考法」は、いわゆる「儲けるためのテクニック本」ではありません。むしろ、事業投資で名を馳せた成功者が、株式投資の世界で「こんな感じなのね」と試行錯誤する、ある種のドキュメンタリーです。
読み終えた後に残る感想は、「投資にはやはり正解がない」という当たり前すぎる現実を、改めて認識させられるということです。さらに、堀江さんレベルでさえも手探りである点に、投資の本質的な難しさと自由さが示されています。
初心者がすぐに役立てられるノウハウは少ないかもしれませんが、その分、投資に対する向き合い方や心構え、ビジネス的視点を取り入れるヒントが詰まっています。もしあなたが投資を「お金儲けの手段」以上に、「社会や産業を理解し、未来を読む行為」として楽しみたいなら、この本を手に取ってみて損はないでしょう。
最終的には、**堀江さんが導き出した結論が何であれ、それを鵜呑みにする必要はありません。**私たちは、この本をきっかけに自分なりの投資観を再構築し、自分に合ったスタイルを模索できます。そんな「刺激」を与えてくれる一冊として、「投資の思考法」は十分に価値のある存在と言えます。
堀江・後藤流 投資の思考法 [ 堀江貴文 ] 価格:1,650円(税込、送料無料) (2024/12/15時点) |
@StevenToshiCH をフォローして頂ければ幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
にほんブログ村にほんブログ村
コメント