NASDAQ100は、NASDAQ市場に上場する非金融セクターの大型・グロース企業を集めた株価指数で、その構成銘柄は毎年12月に見直されます。テクノロジーを中心としたイノベーティブな企業群を反映することで、常に「次の時代」を捉え続けることが可能です。多くの投資家がQQQなどのETFや、QLD・レバナスといったレバレッジ商品を通じてこの指数に投資しています。
2024年の入れ替えでは、パランティアテクノロジーズ(PLTR)、マイクロストラテジー(MSTR)、アックスオンエンタープライズ(AXON)が新たに採用され、スーパーマイクロコンピューター(SMCI)、イルミナ(ILMN)、モデルナ(MRNA)が除外となりました。
以下では、その基準や背景、そして加除銘柄から見えるNASDAQ100の未来について考えてみます。
こんにちは、Stevenです。 @StevenToshiCH
アメリカ12年目、自動車株とアメリカ旅行をメインで扱っています。これからもよろしくお願いいたします。
NASDAQ100の入れ替え基準とは?
NASDAQ100は非金融セクターから上位100社(時価総額、流動性、上場日数などの要件を満たした企業)が選定されます。毎年12月の定期見直しでは、これら基準に従って成長著しい企業が新たに組み入れられ、相対的地位を失った企業が除外されます。
この定期的な入れ替えによって、NASDAQ100は常に市場の先端やトレンドを捉えたダイナミックな指数であり続けます。
2024年採用銘柄の概要と背景
パランティアテクノロジーズ(PLTR)
事業内容:データ解析・人工知能(AI)プラットフォームを政府機関や大手企業に提供。
採用の理由:
- 政府系テック分野での需要拡大:パランティアは秘密保持性に優れたデータ解析技術で、政府機関や国防関連のプロジェクトを多数受注しています。
- 2025年以降の政権予測と地政学的緊張:2025年よりトランプ政権が始まることが有力視され、米中摩擦のさらなる激化や国際情勢の変動(ウクライナ問題の収束、イスラエル問題の動向、米国の孤立主義的政策強化)も予想されます。こうした環境下、機密性やセキュリティを重視するパランティアのサービスは、政府系テック分野で一層重宝される可能性があります。
- 成長ストーリー:AIとデータ解析は今後も拡大が見込まれ、パランティアはその中核を担う存在として評価されています。
マイクロストラテジー(MSTR)
事業内容:元々はBI(ビジネスインテリジェンス)ツール提供企業ですが、近年は大量のビットコイン(BTC)保有企業として知られるように。
採用の理由:
- ビットコイン価格の急騰:ビットコイン価格が100,000ドルを突破し、ここ1年で2倍以上の上昇を記録しています。
- デジタル資産への注目:デジタルゴールドと評されるビットコインが再び注目を浴び、MSTRの時価総額も急伸。テクノロジーと暗号資産市場の融合が加速していることが評価されました。
- 次世代金融インフラへの期待:トランプ政権下で孤立主義的な政策が強まる中、ドル以外のデジタルアセットへの興味は続く可能性があり、MSTRがその恩恵を受ける構図が描けます。
アックスオンエンタープライズ(AXON)
事業内容:TASER(テイザー銃)や警察向けボディカメラ、クラウド型デジタル証拠管理など公共安全領域でのハイテクソリューションを提供。
採用の理由:
- 公共安全領域でのIT化・DX(デジタルトランスフォーメーション)は拡大傾向にあり、AXONはその先駆け的存在。
- 社会インフラや法執行機関向けテクノロジーの重要性が増し、内向き志向の政策や国際緊張下では国内治安や安全対策が強化されることが予想されます。その中でAXONのソリューションはより重宝されるでしょう。
除外銘柄の背景
スーパーマイクロコンピューター(SMCI)
高性能サーバーなどハードウェア分野で活躍していますが、競争激化や利益率低下などで相対的な地位低下を招きました。
イルミナ(ILMN)
ゲノム解析大手として期待を集めましたが、業績拡大の停滞や規制・競合要因で市場評価が下落。バイオテク分野は長期的有望株ではあるものの、足元の実績が相対的に弱まったと評価されています。
モデルナ(MRNA)
パンデミック中はワクチン需要急増で株価が急騰しましたが、コロナ需要が一巡した今は成長期待が剥落。mRNA技術は有望ですが、新製品開発に時間がかかる点が敬遠されました。
トランプ政権再来で予想される世界観とNASDAQ100の示唆
2025年以降のトランプ政権発足により、孤立主義・保護主義的な政策、米中対立の激化、ウクライナ問題の終息、イスラエル問題の加速など、国際情勢は再び大きくうねる可能性があります。こうした不透明な環境下で、政府系テック(PLTR)、デジタル資産(MSTR)、公共安全テック(AXON)といった企業がNASDAQ100に組み入れられたことは、以下を示唆します。
社会インフラ・治安面でのテクノロジー活用:AXONの採用は、国内法執行や公共安全強化にハイテクが使われる時代の到来を象徴。孤立主義的な政策下、国内の安定維持に向けたテクノロジー需要が高まるかもしれません。
国家安全保障や高度な秘密保持性への需要増:パランティアの躍進が示すように、テック企業への期待は軍事・諜報・政府分野へ拡大。米中対立の先鋭化で、この領域はさらなる成長余地があります。
脱ドル・多元的な金融資産への目線:ビットコイン価格上昇とMSTR採用は、ドル基軸への疑問や分散化傾向を示唆。地政学的緊張や米国の内向き政策が続けば、デジタル資産への資金流入は続く可能性があります。
レバレッジ投資家への示唆
私自身、NASDAQ100の2倍レバレッジETFであるQLDを保有し、レバナスと呼ばれる投資信託を購入している方も多いでしょう。
今回の入れ替えは、NASDAQ100が時代の変化に合わせて迅速にメンバーを入れ替え、成長領域へシフトするダイナミックな特徴を再確認させてくれます。政治的変化や国際関係の緊張は不確実性を高めますが、その中でテクノロジーは常に新たなニーズを生み出し、成長機会を創出します。レバレッジ商品を通じてNASDAQ100に投資する場合、こうした指数の柔軟性は長期的な成長ポテンシャルを感じさせる要素といえるでしょう。
まとめ
- 毎年12月のNASDAQ100入れ替えでは、市場トレンドを象徴する企業が採用される。
- 2024年はPLTR、MSTR、AXONが追加、SMCI、ILMN、MRNAが除外。
- PLTRは政府系テック需要、MSTRはビットコイン高騰によるデジタル資産注目度、AXONは公共安全テック需要の高まりが採用背景。
- トランプ政権復帰による国際情勢変化は、機密保持・安全保障・デジタル資産へのニーズ増加を示唆。NASDAQ100はこれらの新潮流を取り込み、常に先端を走る。
これからもNASDAQ100は、世界政治や経済環境の変化に順応しながら、新たな成長ストーリーを映し出し続けるでしょう。
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