「駐在が決まった!…でも投資はどうなるんだ?」 これは日本からアメリカへ赴任する人が必ず直面する悩みです。
日本では積立NISAや投資信託をコツコツ続けてきたけれど、非居住者になると買い増しができなくなるという落とし穴があります。
一方で、アメリカに住むことで米国株やETFに直接投資できるチャンスが開けるのも事実。投資を止めるのではなく「環境に合わせて形を変えて続ける」ことが、長期資産形成では大切になります。
この記事では、
- 日本で準備しておくこと
- アメリカに着いたらまずやること
- そして帰任前後に整理すべきこと
この流れで、駐在員の投資を続ける具体的な方法をまとめていきます。

こんにちは、Stevenです。 @StevenToshiCH
株、アメリカ旅行、アメリカ駐在について発信しています。よろしくお願いいたします。
日本で準備しておくこと(出発前)

日本を出る前にどんな投資準備をしておくかで、渡米後の資産形成のスムーズさが大きく変わります。ここを軽く考えていると、あとで「しまった!」となりがちです。

パパ、日本を出る前って投資のこと何をしておけばいいの?

いい質問だね。ここでの準備が渡米後の投資ライフを大きく左右するんだ。口座や送金の仕組みを整えておくことがカギになるよ。
投資信託で「自動運用」を続ける
駐在後は新たな買付ができなくなるため、投資を止めずに回し続けるには「再投資してくれる仕組み」を選ぶのが有効です。
- 非居住者になると買付はできないが、投資信託なら分配金再投資で自動運用が続く。
- ETFをわざわざ売って投信に切り替える必要はない(利益確定で課税されるため)。
余裕資金は日本の証券口座へ
赴任後は自由に日本口座へ入金できないことも多く、「資金が動かせない」状態になりがちです。事前に証券口座へ移しておくことで運用を継続できます。
- 渡米後は日本口座への入金が制限されるケースもあるので、出発前に余裕資金を証券口座へ入れておくのが安心。
- 信用金庫や地方銀行口座では海外からの操作が難しいため、日本の証券口座でまとめて管理しておくのがベター。
- 出国前に、日本の証券会社に海外赴任の届出をしておく必要がある。
- これを出しておけば「非居住者」として正しい扱いになり、後々の取引制限や税務トラブルを避けられる。
Wiseアカウントを開設
赴任中は数百万単位の資金を移す必要が出てきます。銀行の海外送金は高コストなので、節約のための送金ルート作りが欠かせません。
- 日本の給与を米国で活用するにはWiseで送金ルートを確保しておくのが必須。
- 銀行の海外送金は2〜5%ほどコストがかかるのが一般的。軍資金・投資資金・車購入費など、どうしても数百万単位で持っていく必要があるため、Wiseを使うだけで大きな節約になる。
- 海外手数料ゼロのクレカは存在しないので、「Wise=資金の橋渡し」と理解しておこう。
クレジットカードはANA/JALカードが鉄板
渡米後のクレジットスコア作りにつなげるため、日本での履歴を活用できるカードを持っておくことが重要です。マイルも貯まるので一石二鳥。
- 初めての赴任ならANAカード・JALカードが鉄板。
- マイルを貯めれば一時帰国や国内旅行で家族の負担を大きく減らせる。
- さらにこれらのカードは、日本でのクレジット履歴を利用してアメリカでのクレジットカード発行につなげやすいため、渡米後のクレジットスコア作りにも役立つ。
アメリカに着いたらやること(駐在中)

アメリカに到着しても、いきなり投資を始めるのは早計です。まずは生活基盤を整えることが最優先。ここでの一手間が、後々の投資活動の自由度を決めます。
クレジットスコア作りが最優先
米国で投資するためには、まずクレジットスコアが必要です。これは生活の信用力そのもので、証券口座開設の前提条件になります。
- 米国生活の基盤はクレジットスコア。
- ただしクレジットスコアは「クレジットカードを持って利用」しなければたまらない。しかしカードを作るにはスコアが必要という矛盾がある。
- 本来は家族カードを親から発行してもらうなどで信用履歴を作れるが、そうした手段がない駐在員は詰みがち。
- そこで、日本のクレジット履歴を利用して米国でもカード発行可能な提携カードを作っておくとよい。これによりスコアをため始められる。
- この仕組みがないと、最終的にアメリカで証券口座を開設できなくなるリスクがある。
銀行口座を開設
米国で給与を受け取ったり送金を受け取ったりするためには、現地銀行口座が必須です。投資の資金もここを経由します。
- ChaseやBank of Americaなど大手が定番。
- 給与の受け取り、Wiseからの送金受け取りのためにも必須。
証券口座を開設
投資を実際に始めるためには証券口座が必要です。大手であればサポートも手厚く、初心者でも安心です。
- 条件:SSN(社会保障番号)+現地住所+銀行口座。
- Fidelity、Charles Schwab、Vanguardなどが代表例。
投資の選択肢
アメリカでは日本では触れられない投資商品も多く、駐在期間を活かして挑戦する価値があります。ただし、まずは王道ETFで慣れてからステップアップするのがおすすめです。
- 王道:VTI(全米株式)、VOO(S&P500)、QQQ(NASDAQ100)。
- 個別株:Apple、Teslaなど米国市場の強みを活かせる。
- せっかくなら米国限定の投資も
- IPO株:日本からは参加できない米国新規公開株
- セクターETF:SOXX(半導体)、AI関連ETFなど
- REIT:VNQ(米国不動産ETF)で不動産市場にもアクセス
- レバレッジETF:QLD(NASDAQ100の2倍連動)など、日本では扱いが難しい商品にも挑戦可能
※ただし米国限定商品は値動きが大きくリスクも高いので、まずは王道ETFで慣れてからステップアップするのが安全です。
駐在中の給与配分と工夫

給与の支給形態(日米の比率)によって投資戦略は変わります。どちらの通貨が多いかを把握し、効率的に投資へ回す工夫をしましょう。
日本給与多め
日本からの給与が中心の場合、どうしても日本口座に眠ってしまいがちです。放っておくと単なる「貯金化」になり、インフレに弱い資産になってしまいます。そこでWiseを活用して米国へ送金し、ドルで運用するのが一歩先の工夫です。
- 実質は貯金化しやすい。
- Wiseで米国へ送金し投資へ回す。
- 旅行や生活費は日本クレカ決済でも可(引き落としは日本口座)。
米国給与多め
アメリカでの給与が主軸なら、現地で受け取ったドルをそのまま投資に回すのが自然です。日本の口座に戻す必要はほとんどなく、米国ETFや個別株にダイレクト投資できるのが強みです。
- 米国ETFや個別株で投資を進める。
ハイブリッド型(私のケース)
私自身は日本とアメリカの給与が大体半分半分。生活費は主に米国の給与でまかない、旅行や大きな出費は日本から送金して補うスタイルです。日本では非居住者扱いで投資ができない一方、持ち株会だけは続けられたので月65,000円を継続。さらに米国ではETF積立を毎月300ドルほど行い、合計で月10万円前後を積立投資に充てています。こうして日米双方で小さくても投資を続けることが、資産形成のリズムを崩さない秘訣だと感じています。
- 両方を維持してバランスを取る。
- 日本の持ち株で月65,000円を継続。
- 米国で毎月300ドルの積立を実行。
- 合計でおよそ月10万円を「国をまたいで」投資している。
帰任前後にやること(帰国時)

帰国時には米国口座やドル資産の扱いをどうするかが課題となります。ここをうまく整理しておくと、日本での再投資もスムーズに進められます。特に「米国に残すか、日本に送るか」は多くの駐在員が悩むポイントです。
米国証券口座の扱い
- FidelityやSchwabは帰任後も維持可能(ただし取引制限あり)。
- 口座自体は日本に持って帰れる前提ですが、実際にはアメリカで余ったお金(生活防衛費、車の売却費など)をどう扱うかが分かれ道です。
- 選択肢は大きく2つ:
- 余った資金を米国証券口座に入れてそのまま運用を続ける。
- Wiseで日本に送金し、日本でNISAや投信に回す。
- 個人的な考えとしては、アメリカで稼いだお金はアメリカで運用したまま残すのが一番シンプル。ただし米国口座を維持するのは手続き的にも煩雑な部分があるので、もし残高が1万ドル以下なら、日本に全額送金して口座を閉じるのも合理的です。
Wiseの逆利用
- 米国から日本に送金する際にもWiseは有効。
- 為替手数料を抑えながらスムーズに円転できる。
日本投資の再開
- 米国で築いたドル資産を円転して日本の投信に入れるか、ドル資産のまま温存するかはライフプランに応じて判断。
- 帰国後はNISA/iDeCoに復帰できる。
ケース別まとめ表

ここまでの内容を「日本給与多め」「米国給与多め」「ハイブリッド型」で整理しました。自分の給与比率をイメージして、どのパターンが一番近いか考えると分かりやすいです。
時期 | 日本給与多め | 米国給与多め | ハイブリッド型 |
---|---|---|---|
出発前 | 投信に入金/Wise開通 | 同左 | 同左 |
駐在中 | Wiseで米国送金→投資 | ETF・IPO・REIT投資 | 両方活用(日本は持株/米国はETF積立) |
帰任後 | 日本投資再開、日本口座で再び積立 | 米国口座を維持して運用継続 | 両方を維持し、通貨分散 |
私自身はハイブリッド型に近く、日本の持株会+米国ETF積立で毎月10万円規模の投資を継続しました。この「どちらも続ける」スタイルが、精神的にも安心感を持てるやり方でした。
補足コラム

年金(Social Securityと日本年金の通算)
- 駐在中に支払ったFICA税(米国年金)は無駄にならず、日米社会保障協定によって加入期間を通算可能。
- 日本での加入年数+米国勤務年数を合算し、将来の年金受給資格を満たせる。
税金(確定申告と租税条約)
会計士に依頼する駐在員も多い。
米国ではForm1040、日本では確定申告が必要になる場合がある。
日米租税条約で二重課税は避けられるが、申告作業は煩雑。
まとめ

- 駐在員は「投資が止まる不安」を抱えるが、準備次第で継続可能。
- 日本では「投信+Wise」、アメリカでは「クレカ→銀行→証券」の順で基盤作り。
- 帰任後も米国口座やドル資産は活用できる。残高が少なければ送金して閉じるのも一手。
最後に強調したいのは、駐在中の投資は「止めないこと」そのものに価値があるということです。日本・アメリカどちらの給与が多くても、送金や口座維持の工夫を重ねれば必ず継続は可能です。私自身もハイブリッド型で試行錯誤しましたが、振り返って思うのは“積立を止めなかったこと”が一番の成果でした。駐在という限られた期間だからこそ、環境を味方につけて長期的な資産形成につなげていきましょう。
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「どうせ作るなら、いちばんポイントが多いタイミングで」がクレカ選びの鉄則。
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カード名 | 年会費 | 現在の紹介オファー | 過去最高オファー | お得度温度計 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|---|
Marriott Bonvoy Boundless VISA | $95 | 150,000P(50,000 x 3泊)≈$1,100 | 同左(過去最高) | ★★★★☆ | 年3泊以上マリオット派 |
IHG Premier Mastercard | $99 | 180,000P(160,000+紹介20,000)≈$900 | 300,000P(5泊) | ★★★★☆ | ホリデイイン好き |
Hilton Amex Surpass | $150 | 130,000P+紹介20,000P ≈$700以上 | 130,000P+1泊無料 | ★★★★☆ | ヒルトン系に泊まる人 |
Delta Amex Gold | $0(初年度)/$99 | 80,000マイル+紹介20,000 ≈$960 | 同左(過去最高) | ★★★★★ | スカイチーム常用 |
Amazon Prime VISA | $0 | $150ギフト券(紹介含む) | 同左(過去最高) | ★★★★★ | Amazon愛用者 |
米国MarriottのVISAカード(Marriott Bonvoy Boundless VISA)
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現在の紹介オファー:150,000ポイント(50,000×3泊)≒ $1,100相当
過去最高:150,000P(5泊分)
お得度温度計:★★★★☆「お得」

米国IHGのMasterカード(IHG Premier Mastercard)
年会費:$99
継続するだけで年1泊分(40kポイント)が無料でもらえる。
4泊目無料が神ルール。長期旅行でコスパ最強
プラチナ自動付与 → チェックイン時の部屋アップグレード率が高め(体感7割)
現在の紹介オファー:140,000ポイント≒ $700相当
過去最高:300,000P(5泊分)
お得度温度計:★★★★☆「お得」

米国ヒルトンのAmexカード(Hilton Honors Amex Surpass)
年会費:$99
ゴールド会員自動付与 → 朝食無料&アップグレード(これが強い)
- 年間$15,000利用で無料宿泊1泊
- レストラン・スーパーで高還元
現在の紹介オファー:130,000P+紹介20,000P(計150,000P)
過去最高:130,000P+1泊無料宿泊
お得度温度計:★★★★☆「お得」

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お得度温度計:★★★★☆「お得」

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